活字の誘惑 > 女性の目ア・ラ・カルト〜赤旗しんぶん国際欄キューバ


2005年2月28日「学校に手づくり発電機」

 暮れに読んだ新聞「グランマ」に、電気の無い過疎の学校で、先生が電気を造り出したという記事が載っていました。29歳の先生は最初、壊れたミシンを使って発電できないか試してみましたができず、次に、近くに流れる小さな川で手造りの水力発電に成功、今ではその小学校にテレビ、ビデオ、パソコンまで備えられ、子ども達が勉強しているというのです。生徒は3人。
 昨年読んだ雑誌では、一人しか生徒のいない学校に先生が2人、内一人はパソコン専門という学校もあることを知り、ひとり一人の子どもに行き届いた教育をと、すべての小学校にパソコンを設置し、子ども達に使わせているキューバの教育に興味を持ち、その実態をこの目で見てみたいと思っていました。
 水力発電を発明した先生の学校は、オルギン州のフランク・パイス区域ランチョ・アレグレ村にあり、山道を25キロ登ったところにあるということです。馬かトラクターしか入れない山道で、ここ数日雨が降っているので、道がどうなっているかわからないとのことでした。
 これを聞いてますます興味を抱いた私は四輪駆動車を手配、サンチャゴ・デ・クーバから240キロのその村まで行ってみることにしました。
 文部省の人が案内に同行してくれましたが、なるほど見事な山道で、ほとんど絶壁みたいな山のアップダウンを繰り返し、必死でしがみついていても身体が飛び跳ねてしまったり、車輪がぬかるみにとられ半回転、あまりに危険だからと車から降ろされ徒歩でとか、立ち往生したときには、やはり馬でくればよかったか、と思案したりの連続で、こんなところに本当に人が住んでいるのかと不思議な気持ちで、たどり着きました。
 制服姿の女の子が3人と小さな子が駆け下りてきて、オダニス先生が迎えてくれました。生徒の女の子達は髪にリボンをつけたりしてお洒落しています。4歳くらいの子はオダニス先生の子で「将来の生徒」と呼ばれていました。
 学校は丸太を組み、パームの葉っぱで葺いた屋根、オダニス先生が造ったそうです。四方に山が聳え一幅の絵のような眺めです。
 教室の壁には、子どもの権利を謳ったユニセフのポスターや地図などが飾られ、黒板の横に置かれたテレビがとても鮮明に映っていてびっくりしました。
 奥にパソコン室があり、ビデオや本が並び、ここで生徒達が習います。6歳、10歳、11歳という異学年の生徒を同時に教えている先生に、どうやって教育するのですかと訊きますと、教材がいろいろあるので問題ない、とあっさりしたお答え。生徒達は机に向かい先生の指示を待ち、プレゼントしたノートや鉛筆、消しゴムやシャープペンを「きれい!」と喜んで、それぞれ自分の名前を書いてくれました。教室には「赤旗カレンダー」を。キューバにはいない動物の写真は珍しいらしく、1枚1枚説明すると子どもたちが覗き込むようにして興味を示していました。
 この村は14世帯、今では村全体に電気が引かれテレビも見られるようになったということです。オダニス先生の次の計画は、近隣の村にも電気を届けることだそうです。

写真〜子どもたちを愛したキューバ解放の勇士ホセ・マルティの像とキューバ国旗
(これはすべての小学校にあります)
        キューバ、サンチャゴ・デ・クーバより、

今日もご縁を頂いてありがとうございました。
!VAYA CON DIOS!
あなたに幸あれ♪



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岡惚れ、ベタ惚れ、ビバ!クーバ(万歳!キューバ)!
愉しく生きられる祖国になろうヨ!
人間は金よりも尊い
"愛"を持って闘ったキューバ
食べ物をもてあそんではなりません